春の吐息の日記

ヒキコモリーノ女史の飛んで転んで笑う日記

赤ちゃんカミナリが弾けたんだよ!

鬱になりきりはしないけど、その傾向がある私はプチ休暇を味わう為に帰省して、田舎の実家に避難していた。

多分夏の終わり頃。

当時飼ってた中型犬のくまを家の前に放して空を見上げてた。

遠くで雷鳴が鳴り響いてたけど、降るまでまだまだ時間がある様子で、むしろこちらには来ない感覚。

父は小屋で作業をしていて、父を好きなくまは側で父を見ている。そんな昼下がりに、作務衣を着た貧相な坊主崩れなヒョロリとしたおっさんが自転車に乗ってやって来た。

知能が足りない振りをして、言葉に不自由な程で古びた写真を見せながら説明するのによれば、

どっかに寄付か支援するのにでっかい提灯を創るのにお金くれって事だった。

めちゃんこ弱ってた当時の私は、良いことはしなくちゃ、困ってる人は助けなきゃと思って悩んだんだけど、ま、余りに怪しくて困って、父に言うが一瞥されて無視。

くまも寄って来ないので、なんか困ったな、、、

断ろうとおっさんの方に向かって少し歩いてどう断るか思案する。

おっさんは何故か少しニヤついて一歩前へ足を出した、距離にして1mちょい。

くま、助けてよ、と振り返ると面倒くさいなぁと、目をしょぼつかせながらようやく私の方に歩き出していた、その瞬間!!

ガラガラビッシャーン、ドーン、バチーッ!!

と、私の直ぐ目の前の足元に、カミナリの赤ちゃんが弾け飛んで来たの!

線香花火の先っちょのでっかいやつみたいな青白い雷鳴が地面の上で弾けたの!

うおぉお!と、声にならない声が出て、ビックリしたけど、怖さは感じなくて綺麗だなぁと。

そしたら貧相なおっさんがめっちゃびっくりして、慌てて自転車に飛び乗って凄い勢いで帰って行った。

下り坂道を漕ぐ必要ないのにめちゃんこ漕いでた、、、

慌てぶりな反応にこちらがビビるわよ。

くまは不思議な顔をして私の足元に座って、父は全く気がついてない。

変わらず雷鳴は遠くて、空もさほど暗くない。

雷鳴が飛んで来るような距離でもないし、空でもない。結局、雨が降ったのはかなり遅い時間になってから。

綺麗なカミナリ赤ちゃんは、私を護ってくれたのかな。分厚いトレーナーを着てたんだけど、実家だし田舎だから近所の家も距離があるしでノーブラだったのよね。

お金くれないの察してイタズラしようとしたらカミナリが目の前に落ちて、天罰を感じて逃げ帰ったのかも。

カミナリさま、その節はありがとうございました。

感謝、感謝。